ブルゴーニュ・ワインの質を決める要素

ブルゴーニュのクルュ・ワインの赤はピノ・ノワール(Pinot noir)種から、白はシャルドネ(Chardoney)種の葡萄から作られるべきと、AOC法で定められています。単一品種の葡萄から作るのは、新世界では珍しいことではないですが、フランスではブルゴーニュ･ワインの特色の一つです。

ワインの質を決めるのは、まず第一に良質の葡萄が収穫できるかどうかです。
良い葡萄が収穫できるためには、
良い畑で

良い栽培方法を
取ることが決め手になります。

ボルドーではカベルネとメルローを、その年により異なった割合でブレンドしています。
またこれはどこのワインでも共通のことですが、単一の年度に収穫された葡萄から作られます。その結果ブルゴーニュでは、葡萄の作柄のその年のワインの質に対する影響は、他地域に比して大きいと言えます。

もっとも、この規制は1974年以前は国外向けには適用されていなかったことから、輸出用には色合いを濃くするため、ローヌやアルジェリアのシラー種から作ったワインを大量にブレンドすることが横行していたと言われています。

タンク車でボーヌ駅へ搬入されてきた他地域のワインが、ブルゴーニュ・ワインのラベルに貼り換られ、そのまま輸出されていたと言います。「ボーヌ駅が最大の生産者であった時代」とか、「アメリカ人はローヌの混入ワインしか飲んでいないので、本当のピノ・ノワールの味を知らない。」などと揶揄されていた時代もありました。

その次の要素が、醸造から壜詰めまでの工程です。
古い時代の零細な作り手は、温度管理も充分にできない粗末な設備で、原理も分からず、経験に基づき種々の工夫をし、その生産過程は作り手により千差万別でした。新しい世代はボーヌやディジョンの専門学校や大学の教育を受けた者も多く、原理は理解していますが、信念や親子相伝もあり、まだその生産方法は多様で、それが各作り手のワインの個性となっています。