ペルナン・ベルジュラス(Pernand-Vergelesses)のクリマについて
ペルナン・ベルジュラスはコルトンの丘の裏(西側)にあるひっそりとした綺麗な小さな集落です。主要道路からもはずれ、観光資源もないため観光客も稀です。コルトンの丘の北西の麓はコルトン・シャルマーニュのグラン・クリュが続いており、17.16Haはこの村の所属です。その他の葡萄畑は集落の北側オート・コート・ド・ニュイの方角と東側サビニィ・ドゥ・ボーヌとの境界をなすブア・ノエル(Bois Nöel)の東斜面にあります。南側はボーヌに向かってなだらかな平地が広がっています。9つのプレミア・クリュ56.28haと72.14Haの村名ワインの畑があります。
有力な作り手はコルトンでも名前のでた、ボヌー・ドュ・マートレー(Bonneau du Martray)とラペット(Rapet Père et Fils)です。
ここの畑の地質はコルトンのグラン・クリュと同じ鉄分の多い石灰岩と泥灰岩の風化した粘土ですが、泣き所はどうしても北からの寒気が入りやすいため、低温に見舞われ、完熟が遅れることです。取り入れ時期を遅らせるため、秋の暴風の被害を受けやすくなります。ビンティジによってワインのできが大きく変わります。良い年の赤ワインは周辺のラドワやショーレイ・ドゥ・ボーヌのワインよりも重みがあり、洗練されています。白ワインの良い年のものも、歯切れが良く、かすかにハーブや花の香がします。
（“The Wine of Burgundy” ｂｙ Clive Coates）
最良の畑はボーヌ寄りの南東斜面にあるイル・ド・ベルジュラス(Ile-de-Vergellesses)とバス・ベルジュラス(Les Basses-Vergelesses)といわれています。クリーブ・コートは前者をお買い得だと言っています。私はまだ飲んだことはありませんが、現地の値段は35ユーロ程度のようです。
ここのワインがあまり知られていない理由は名前が長くて、外国人に発音しにくく、マーケティング的にアッピールしないため、ここの生産者は地域ワインのアペラシオンである、コート・ド・ボーヌ・ビラージュ(Côte de Beaune- Villages)を使って売りさばくからです。
