2.ワイン作りについて

ワイン作りの鍵は弾力性だと言います。まず収量を抑えます。30hl/haを絶対的な限度としています。茎は大部分取り除きますが、それは葡萄そのものや茎の成熟度の状態によります。マセレーションは可能な限り長くしますが、過度にはならぬよう気をつけます。発酵温度は30℃以上のむしろ高めを選びます。軽く濾過だけ行い、12－18ヶ月目に壜詰めします

(“BURGANDY” by Hubrecht Duijukerより)

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コントゥ・ジョージ・ドゥ・ボーグ(Comte Georges 　de Vogüé)

1.クリマとそのワインについて

15世紀までその起源が遡れるドメーヌはブルゴーニュでも多くはありません。1450年頃ジーン・モワッソン(Jean Moisson)はシャンボールの村に教会を寄付しました。その孫娘が1528年にディジョンの商人、ミッシェル・ミリエール(Michel Millière)と結婚する時の持参金にミジュニーの畑が含まれていました。そして、この畑は1575年にまた結婚により、当時の有力な議員であったボーイエール(Bouhier)一家のものとなりました。その2世紀後、一族の末裔であったキャサリン・ボーイエール・ドゥ・ベルサリュー(Catharine Bouhier　ｄｅ versalieu)が1766年にビバレの名門の長男セリス・フランソワ・メルショア・ドゥ・ボーグ(Cerice François Melshoir de Vogüè)と結婚しました。それ以降6世代コントゥ・ボーグによりこのドメーヌは経営されてきました。

コントゥ・ジョージは1925年に父の死により、あとを継ぎ、1987年に死去するまで、経営の任にあたりました。彼は軍人の出身で、沈着冷静、貴族的な人物でしたが、尊大ではなく、住み込みの管理人アラン・ルミエール(Alain Roumier)をうまく使いこなしました。

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このクリマに一部シャルドネが植えられていて、白ワインも作られています。これは古い時代にピノ・ノワールにブレンドしていた名残だといわれています。ジョージ・ボーグとアラン・ルミエーの時代の末期に、このドメーヌのワインの質が低下したと言われました。しかし、新しい体制になり、90年代後半以降、旧来の輝きを取り戻してきたといわれています。

ミュジニイの畑の名前は14世紀の所有者の名前から由来しています。クロ・ドゥ・ブージョの上にあり、エシェゾーにも接しています。厳密にはミジュニイとプチ・ミジュニィ(Putite Musigny)に分かれていますが、一体としてワインにされています。10.85haの広さのクリマですが、その75%をこのドメーヌ　が所有しています。残りはフレデリック・ムニエール(Frédéric Mougnier)が10.5%、ジャック・プリュール(Jacques Priur)が7.05%、ジョセフ・ドルーアン(Joseph Drouhin)が6.2%などです。ここは急傾斜の丘の上で、表土は小石混じりで、非常に薄く、30cmもないくらいです。その下は崩壊した石灰石の岩盤です。窒素成分はほとんどなく、隣接のクロ・ドゥ・ブージョや同じコンミューンにあるボンヌ・マールとは全く異なった土質です。このワインは繊細、女性的、薫り高く、洗練の極致などと言われています。(残念なから、まだ飲んだことがありません。)

そして、ルミエールの引退に伴い新しいチームが形成されています。栽培はジェラルド・ゴードー（Gérard Gaudeau）、醸造はフランソワ・ミイエ(François Millet)に、販売はジーン・リュック・ペパン(Jean-Lcu Pépin)にi任されています。

ルミエールは祖父から3代にわたってこの職についていました。彼はジョージとは対照的に、おしゃべりの激情家で、典型的な貧農の資質をもっていました。しかしワイン作りに対する誇りと主家に対する忠誠は抜きん出ていました。彼は1986年に引退しました。

コントゥ・ジョージの死後、このドメーヌは一人娘のエリザベス、バロンヌ・ベルトランド・ドゥ・ラドゥセット（Elizabeth,Barrone Bertrand de Ladoucette）に相続され、彼女と2人の娘、コンテス・ジェラール・ドゥ・コーサン(Cimtesse Gérard de Caussans)とマリー・ドゥ・ボーグ(Marie de Vogüè)によって経営されています。