オセイ・ドュレッス（Ａｕｘｅｙ-Ｄｕｒｅｓｓｅｓ）のクリマについて
ここは広い畑ではありません。169.63ｈａのブレミア・クリュと村名ワインの畑が大きく3つの地域に分かれています。
地図の右上にあるムルソーに向かってモン・メリアン（Ｍｏｎｔ Ｍｅｌｉａｎ）の北または北東斜面の畑は土質的にはムルソーとつながっています。崩れやすい頁岩の上に薄い表土が乗っています。日照が不足気味のため十分熟さないことが多いのですが、良い年にはそれなりのワインとなります。この地域はシャルドネだけです。
（“The Wine of Burgundy” ｂｙ Clive Coates）
集落の北側、ブードン山（Ｍｏｎｔａｇｎｅ ｄｕ Ｂｏｕｄｏｎ）のなだらかな南斜面31.76ｈａに唯一の7つのプレミア・クリュがあります。表土は概して深いですが、石灰石の含有量は場所によって違います。陽だまりのため良く熟した赤ワインが作られます。
モンテリーからさらに西へ向かうとオセイ・ドュレッスの村に到ります。ここはボーヌ、ムルソー、オウトュン、サン・ロマンからの道が交わるところで、古くからの交通の要衝です。
3つ目の畑はムラン（Ｍｅｌｉｎ）の集落の上の南東斜面の13のクリマです。ここは赤と白ワインを半々に生産しています。ここのワインは不作の年にはまろやかさに欠けますが、良いビンテイジでは、白ワインはジュニア・ムルソーといったところです。赤ワインは力強いストラクチャーを持ち、かすかにフルーテイーな香りがします。
以前はここのワインもバルクでネゴシアンに卸され、コート・ド・ボーヌ・ビラージュとして売られるか、赤ワインはボルネイやポマール、白ワインはムルソーの増量剤として不当に混入されていたそうです。近年はルロアなどのおかげで品質の良さが見直され、ブランドとして確立してきました。
